「お、おはよ……」
いつもどおり、自転車にまたがってあたしをまっていた大空に声をかける。
「はよー」
昨日となにもかわらずに笑ってくれる大空。
あたしがきまずくなるのを、まるでしっていたかのように。
そのやさしさがずるいんだよ……。
「じゃあ、いくか?」
大空がいつものようにあたしからカバンをとって、そのまま自転車のカゴにいれようとしたのをあたしはとめた。
「ごめん。今日、学校いかない……」
あたしはそれだけ言うと、大空からカバンをとって学校とは逆の方向にあるきはじめた。
「ちょっとまって!」
ふりむくと、大空があたしのほうへ自転車をむけている。
「え、学校あっちだよ?」
「それぐらいわかってるわ。俺もサボんの」
「えーっ、だめでしょ!」
「海音だけずりぃよ。俺もサボりたい」
そう言って、うしろをさす。
それは大空の、“のって”というサイン。
あたしがうしろにのったと同時に、自転車は出発した。



