絶対王子は、ご機嫌ななめ


「政宗さん、腕が痛い」

「それくらい、我慢しろ。このバカが」

バ、バカ!? なんで私が、バカ呼ばわりされないといけないの? 怒られるようなこともしてないっていうのに、どうも納得がいかない。

「どこに連れて行こうとしてるんですか?」

「わかってるだろ。お仕置き部屋だ」

ゴルフクラブに隣接してるスポーツクラブの方に向っていれば、なんとなくそうだろうとは思っていたけれど。

ここのスポーツクラブは夜中まで営業していて、従業員のための“仮眠室”なる部屋がある。基本、次の日の朝一番で仕事が入っている人が使う部屋だけど、政宗さんの使い方はちょっと違っていて。

私がお客さんと仲良く話していたりするのを見つけると、私を仮眠室に連れて行き、“お仕置き”という名の愛情を注ぐ。

「いつも思うんですけど、今のはお仕置きが必要?」

私は何も悪いことをしていない。

「ああ、必要だな。庄司さんに触られただろう」

「触られたって、人聞きの悪いこと言わないで下さい。ちょっと肩に触れただけでしょ?」

「じゃあそこを消毒だ」

消毒って……。庄司さんは、ゴミやバイ菌じゃないんだから。