絶対王子は、ご機嫌ななめ


「満足そうな顔しちゃって」

大きな窓と反対の方に顔を動かせば、静かに寝息を立てて寝ている政宗さんの寝顔。いい夢でも見ているのか、その顔は少し笑っているように見える。

寝顔すらカッコよく見えるのは、私が政宗さんに相当惚れちゃってるから?

その端正な寝顔に、その唇に触れたい……。そんな欲望がふつふつと湧き上がってくるのに、今の私は手腕を動かすことすらままならない。

「もう……」

子供っぽく頬をぷくっと膨らますと、寝ているはずの政宗さんの口が動き「プッ」吹き出した。

「ま、政宗……さん?」

「なんて顔してんだ」

いつのまにか政宗さんの切れ長の目は開いていて、寝起きそうそう意地悪な笑みを見せている。

「なんですか、その笑顔は……」

「いや、柚子の顔が朝っぱらからエロいと思ってな」

「エロくなんてないですっ!」

「そうか? なんか物欲しげに見えるけど?」

え? そうなの? 政宗さんに触れたいって思いが、顔に現れちゃってるとか?