今日の試合スタートは、午前九時。今はまだ八時三十分を回ったところだというのに、もう結構な人で賑わっていた。
オフィシャルグッズを売っているテント下は、行列ができる勢いだ。
「今回の大会は、有名選手が多く出場するからね。明日からの決勝ラウンドは、もっとすごい人になるよ」
「はぁ……」
テレビ観戦しかしたことがない私は、分からないことだらけ。こんなことなら、少しは勉強しておけばよかったと後悔中。
「まあいろいろあって政宗さんはレッスンプロになったわけだけど、前にも言ったとおり元々は人気があったからね。今回久しぶりの出場で、かなり話題になってるよ」
今の政宗さんは『俺の言うことは絶対だ』なんてくらいの俺様だけど、以前は“スマイル王子”と呼ばれてたんだよね。
政宗さんのことを好きな私が言うのもなんだけど、モデルにでもなれそうなくらいの顔立ちだから、あの顔で微笑まれたら……。
私じゃなくても、すぐに落ちちゃうに決まってる。
そんな人に告白なんて恐れ多いけれど、いつもの無愛想な政宗さんが私にとっての政宗さん。
スマイル王子? そんなの私は知りません!
いつでも上から目線の“絶対王子”。イケメンだろうがなかろうが、そんなの全然関係ない。私の気持ちも知らないで勝手にキスしちゃうような、俺様な政宗さんが大好きなの!



