絶対王子は、ご機嫌ななめ


クラブハウスの駐車場に到着すると、係員に呼び止められる。

「ここは一般車両は入れませんが、許可証か何かお持ちですか?」

今はトーナメント開催中で、一般の人はパークアンドライドでここまで来ているらしい。

じゃあ私たちも下の駐車場まで戻って……と思っていたら、智之さんはダッシュボードから用紙を取り出してそれを係員に渡した。

「分かりました。右の奥側に駐車して下さい」

智之さんは「分かりました」とこたえると、車を指示された方へと動かしはじめる。

「第一関門突破って感じだね」

「大袈裟ですよ。でも今渡したのって許可証ですか?」

「まあそんなとこ。昨日政宗さんに『今日行くから』って連絡したら、関係者枠で駐車場用意してくれてね」

「そうだったんですか」

「でも心配しないで。柚子ちゃんも一緒なの、政宗さんには言ってないから」

それ、余計心配です。

だって私も一緒なのを知ってて駐車場を用意してくれたなら、なんとなく会いやすいけれど。そうじゃないのなら……政宗さんが私を見て、どんな反応するかやっぱり怖くなってしまう。