お菓子よりも甘く



「あの、ありがとうございますっ」


甘ったるい声が横から聞こえる
かなり可愛い女の子だった...が

同じくらい雰囲気も、香水も
甘ったるくて、受け付けない


『...いえ』

「その...お礼に、お茶でも...」


...懲りてねーのかこの女


『そういうのいいんで。それじゃ』

「え゛っ...ちょっと!」



まだ何か言ってるけど、
聞こえない聞こえない

さっさと帰るに限る





「...かっこいー」


そんな呟きも、聞こえない