すると、どういうわけか自販機のボタンは光り、レバーを押したらちゃんとお釣りが戻ってきた。
「あれ?なんで?」
女の子は不思議そうに自販機を見る。
可哀想だが、彼女のお金は戻ってきそうにない。
「なにが飲みたかったの?」
俺が彼女にそう聞くと、彼女はイチゴオレを指差した。
俺は、イチゴオレのボタンを押すと、彼女にイチゴオレを渡した。
「え!どうして?いいの?」
彼女は驚いて俺を見る。
「うん、いいよ。飲みたかったんだろ?」
俺がそう言うと、彼女はとても嬉しそうに笑ってお礼を言った。
「ありがとう!」
彼女の笑顔を見て、つられて俺も笑顔になる。
そんなに嬉しそうな顔されたら、俺まで嬉しくなっちゃうな。


