君の笑顔で





俺の声に反応して、彼女は振り向いた。




歳は俺と同じくらいだな。
目、大きいな〜。はっきりした二重だからかな?
綺麗な顔してんな〜。



と、少しの間彼女に見惚れていたが、我に返って、もう一度、



「どうしたんですか?」




と、声をかけた。




彼女もハッとなったように、


「あ、えと」



と自販機を指差す。





「お金、入れたら戻ってこなくて…」




「あ〜、呑み込まれちゃったのか」





俺は、ちょっとごめんね、と自販機の前に立つ。


飲み物のボタンは光ってないし、お釣りレバーを押しても返ってこない。




こりゃやられたな〜





試しに、俺も百円を自販機に入れてみた。