君の笑顔で





恭吾はあばよ!と言うと、佐藤さんに、お騒がせしました、と頭を下げて病室を出ていった。




「素敵なお友達がいるのね」



佐藤さんはニコニコして恭吾を見送った。


「ええ、まぁ」


俺は曖昧な返事をして、ギプスに視線を移した。




まぁ、階段でこけて骨折するのは、バカにされてもしょうがないか。


俺は恭吾の笑い転げる姿を思い出して、苦笑いする。




「はぁ、なんか喉渇いちゃったな」





俺は飲み物を買いに、ロビーへ向かった。