誰だってあるだろ?


階段に気づかないで転ぶことなんて。



そして誰だってあるだろ?


転んだときの打ち所が悪くて骨折することなんて。




「ねぇよ!ふつー!」


恭吾は目尻に涙を溜めている。

泣くほど面白いか。くそ。



「とにかく、そんなわけで少しの間入院するけど、心配すんな。大丈夫だから」


「んなこと言われなくてもわかってるよ。誰が心配するか、そんなドジヤローのこと。笑いのネタとしちゃ最高だけどな」


恭吾は喉の奥で笑っている。


いつまで笑ってるんだよ!もう!