君の笑顔で





恭吾は満足そうに頷くと、佐藤さんに会釈して病室を出ていった。




くそ〜。

俺が骨折で入院してるときに、あのヤローは彼女とデートか。

ノロケおって。





美代子ちゃんは、とてもいい子だ。


そして、とても美人だ。
それはもう、超がつくほどの。




どうして恭吾と付き合うことになったのかはよく知らないが、美代子ちゃんは恭吾にゾッコンなのだ。



恭吾よりイイ男なんてたくさんいるだろうに、美代子ちゃんは恭吾しかみえてないらしい。





「世界は謎に満ちているな」



俺はため息をつくと、恭吾が(わざわざ)持ってきてくれた紙袋に視線を移した。




(なにを描けばいいかな〜)




とりあえず、病室にはとくに描きたいものはなかったので、俺は紙袋を手に病室を出ることにした。