モミの木と一輪の花

僕の不安をよそに、冷えた風が綿毛をさらっていく。

冬が、近づいているのだ。

見れば、花には少しの綿毛しか残っていない。

僕は不安で不安でたまらなくなった。

「ねぇ!君は綿毛が無くなったら、どうなっちゃうの!?」

花は少し考えてから、

「解らないよ」

と、答えた。