『偉いわよ。鈴華。』とお母さんは笑顔で言ってくれた。…回りにいる生徒達がびっくりした顔をしてる。

『先生、その子供は…?』と一人の女子生徒が言うとお母さんは

『私の娘の鈴華。それで、私の夫の柊哉さん。』と簡単に説明した。

『えっもしかして…先生の旦那さんってミュージックコンポーザーで有名な鳴瀬柊哉さん…ですか?』と別の女子生徒が言う。…お父さんは軽く会釈をした。

そのとたんに『キャ~~!!!』と歓声が上がった。困った様にはにかみながらお母さんは

『みんな。別のお客さんもいるから静かにね?』と言った。

『はーい。』と生徒たち。ノンビリとしていたんだが、【高校の学園祭にあの鳴瀬柊哉が来てる!】と噂が流れたのか多くの人が集まって来た。

『…春。』とお父さんがお母さんを呼ぶと、お母さんは

『分かってる。じゃあ後でね?』と分かったように言った。

直ぐにお父さんは小さいあたしを連れて模擬喫茶を出た。