ーside鈴華ー

自室に戻ったあたしは能を使いすぎたのか、スゴく眠かった。

軽くシャワーを浴び、体、髪の水気を取り、ドライヤーで髪を乾かして眠った。

──

そこには小さい頃のあたしが居た。あたしは家のリビングにある子供用の椅子に座り、隣にはお母さん。お母さんの向かい側にお父さんもいる。

『鈴華。お母さんの学校でお祭りあるけど、来る?』とお母さん。─これ、小さい頃の記憶だ。

『うん!お祭り~♪』とニコニコと小さいあたしは笑ってる。…今思うと、〝お祭り〟は文化祭の事で、お母さんが音楽科の教諭として働く学校は文化祭、体育祭の2つは教諭の家族も来ても良いことになっていたらしい。

『春。鈴を連れて行くから。』とお父さんが言った。お母さんの名前は春華(はるか)。お父さんはお母さんの事を〝春〟って呼ぶ。

『分かったわ。柊哉(しゅうや)日にちは来週の土曜日。鈴華を宜しくね。』とお父さんに言った。お父さんは柊哉って名前。場面が切り替わって学校内。お父さんと手を繋いでいる小さいあたし。