あたし、鳴瀬 鈴華は霊園に居た。…交通事故で亡くなった両親のお墓参りに。

当時まだ5歳だったあたしはよく覚えてないけど、お母さんはわたしが幼稚園から帰ると手作りのお菓子を作って待っててくれて、お父さんはよく話す人じゃ無かったけど、暖かい大きな手で頭を撫でてくれたのは覚えてる。

「お母さん、お父さん、あたし元気にしてるよ。これからも見守っててね。」そう言うとあたしは立ち上がった。だけど、一瞬クラッとした。

(──立ち眩み?)そう思ってあたしは今住んでいる所に向かった。

帰り道、少し寄り道したらステンドグラスがキレイな小さな教会があった。

一瞬、入ってみたい。そう思ったけど、明日は学校だから止めよう。そう思って立ち去ろうとするけど、突然、

キ───ンという耳鳴りと共に歩けないほど強く聞こえた。

このまま家に帰るのは得策じゃない、と判断して教会で休ませて貰おう、と思った。