浅緋くんの怒鳴り声にビックリして、思わず月野くんの腕を掴んだ。
何で…、浅緋くんは怒ってるの?
どうして…、皆哀しい顔をしてるの?
前にも…、こんな事があった…?
『……良い加減にしろ!!!今がどんな状況か分かってんのか!?』
『良い加減にしてほしいのはこっちだ。此奴を壊す事は、例えあんたでも許さねぇぞ。』
『やめてよっ!!こんな事しても、あの子は自分を責めるだけだわ!!』
悲痛な怒鳴り声に、耳を塞ぐ私の姿。
そんな私に寄り添う影……。
これは…、私の記憶だ。
そう。いつの日からかみんなの諍いが増えて、その原因はいつだって私。
「火蓮…?どうかしたか?」
頭を抱えて震える私にハッとして浅緋くんが顔を覗き込む。わからない。何も分かりたくない。

