俺、お前が好きだ。


結局何も返さずに仕事が終わった。

車に乗りまた携帯を確認した。

誰からも着信がなかった。


数分で家に着いた。

家の中の明かりが見えた。

「誠、怒ってるかな。」

車の中に響く俺の声。

ーーガチャーー

「ただいま。」

ーシーン。

何も応答がなかった。

中に入りリビングのソファーに

荷物を置いた。

「誠?いるの?」

寝室に行くと誠が電気を

付けっぱなしで寝ていた。

「誠?」

「…ぁ、あー帰ってたんだ。」

「今帰ってきたんだよ。」

すると誠は起き上がり俺の目の前に立った

「な、何。」

「なんで返さなかったの?」

「あ、メール?」

さらに近づいてくる顔。

「やっぱー会ってたの?」

「そんなわけ…」

「だったら!だったらなんで。」

変に心臓がバクバクいう。

目が鬼みたいに鋭かった。

「返す言葉がなかったんだよ。」

「は?」

「だ、だって。」

誠は呆れた顔で俺を見た。

諦めたかと思ったら…

「脱げ。」

「え、?」

「脱げって言ってんだよ。」

そう言い誠は自分の服を脱ぎ始めた。

俺の心臓は今にも爆発しそうだった。

「早く。」

なんのためにこんなこと。

「いやだ…」

「あ?」

俺は逃げる体制をした。

でもいきなり掴まれた腕。

怖くて怖くて動けなかった。

「離して!」

「なんで脱がねぇんだよ!」

「なんで脱がなきゃいけないの。」

「は?やっぱヤったのか?」

「ヤってねぇよ!」

徐々に近づくベッド。

倒されたら一巻の終わりだ。

「それともお前、殺されてぇのか?」

「へ?」

誠が何を言ってるのか分からなかった。

なんでそんなこと言うの。

「それともヤるか?」

「こ、怖いよ。」

俺はその場にしゃがみ込んだ。

「つか、お前が悪いんだろ。」

「なんでだよ!」

鋭く誠の顔を睨みつけた。

すると、いきなり誠が俺に馬乗りになった

「俺の事好きか?」

「え?」

「好きだよな?」

『ごめん、好きじゃない。』なんて

言えるわけなくて。

「好きって言えよ!」

無理やり俺の服を脱がせようとする誠。

俺は必死にそれを拒む。

「ねぇ!やめろよっ…やめっ…」

片手で両腕を掴まれ身動きが

出来なくなった。

『いやだ、いやだ。』

心の中で何回も叫んだ。

「やめて!いやだぁ!」

それからは、一瞬にして

俺の目の前が真っ暗になった。