「さ!着いたぞ。」
何気に早いんだな。
「今、帰りました。」
俺は恐る恐る中を覗き込む。
新人はどこだ!
「なんだよ、入ってこいよ。」
奴に袖を掴まれそのまま
引っ張られた。
「お、今日の相手か。」
「まぁな、可愛いだろ。」
軽く会釈した。
なんで俺が・・・・
「あれ、新人いないのか?」
「もうすぐ帰ってくるだろ。」
すると、ドアが開いた。
俺は下から舐め回すように
新人を見た。
「遅くなりました。」
え、普通にイケメンだな。
「こいつが新人の赤西仁。」
”赤西仁”
ふーん。
「俺、帰る。」
「え、帰っちゃうのかよ。」
また会釈して事務所を出た。
すると、後ろから。
「ちょっと待って!」
振り返ると新人がいた。
強く睨みつけた。
「なんで睨むの。」
「別に。で、何?」
「あぁ、送って・・」
「いい!」
そいつは背が高かったが顔を近づけ
そう言って俺は歩いた。
「人がせっかく親切にしてんのに。」
別に親切なんかいらないし。
一人で帰れるし。
はぁ。
