次の日、目を覚ますと
俺はベッドに寝ていた。
隣には誠が寝ている。
昨日のことは全く記憶がない。
「あ、おはよう。」
誠が眠たい目をこすりながら言った。
「おはよう。」
朝からなんだかすっきりしない。
だけど、今日も仕事だから
準備しないと。
「あ、今日仕事行かなくていいよ。」
「え?」
「ずっと、家居てよ。」
「いや、無理だよ。」
そう言うと、誠の顔が曇った。
「不安だから外に出したくない。」
「え、何それ。」
「それから、携帯没収ね。」
と言い、俺の携帯を手に取り
ニヤッと笑った。
「ふざけんよ、返せよ。」
「なんだよ、見られたらまずいのでも
あんのかよ。」
「ないけど。」
すると誠は、何かまたひらめいたように
不気味な笑みを浮かべた。
「縛っちゃおっかな〜」
「へ?」
「紐で。」
どんどんと近づく誠。
「や、やめてよ。」
「やんねーよ、バーカ。」
「はぁー。」
でも本当に縛れたら痛いのかな。
この時から俺はもう既に『別れたい』
そんな言葉が頭の中にあった。
けど、そんなこと言ったら何されるか。
怖くて耐えるしかなかった。
