みんな病んでる。

何が起きたのか解らずに、俺はおそるおそる目を開けた。

「何やってんだぁ?」

そこには、俺の代わりに殴られている奴がいた。

頬を押さえ、凄みを利かせている。

それは、隣のクラス担任の横溝だった。

横溝は殴られるとすぐさま、相手の腹にボディーブローを入れた。

相手は腹を押さえてうずくまり、苦しそうな悔しそうな目で横溝を見る。

「誰だよ……オマエ。邪魔……すんな……」

「ひとを殴りたいのなら、俺を殴ればいい。金が欲しいのなら、やる」

そう言って横溝はポッケから紙幣を取り出し、相手の目の前でヒラヒラと踊らせた。

「プライドがないのなら、持って行け」