みんな病んでる。

「ほら、行くぜ」

奴らに腕を引かれるがままに、俺たちはコンビニから出た。

……どかっ。

頬に走る、鈍い痛み。

殴られると、その部位だけでなく、あたまにもガンガン響く。

どかっ。

ぼかっ。

俺は公園の一本木の下で、リーダー格の奴と一騎打ちをしていた。

一騎打ちとは言えども、俺は手も足も出ない。

木の幹にもたれかかったまま、俺は殴られるままだった。

他の輩は、遠巻きに俺たちを見て、興奮している。

「やれ! やれ!」

「リョウの奴、相変わらずヘタレだな」

中学に入ってからは、いじめられるよりもいじめに徹していたけれど。