みんな病んでる。

「おい、リョウじゃねえ?」

隣で、昔の声を聞いた。

……俺の全身が、さっと凍りついた。

「……!」

そいつらは、俺と同じ小学校だった奴らだった。

そして俺を……。

俺を、いじめていた輩だ。

「へえ、チビだったくせに、いっちょまえに背ぇばかり伸びやがって」

昔の俺が、疼きだす。

そう、いくら大きくなったって、こころはチビのままだ。

「おい、リョウ、一発勝負しようぜ」

「ああ~、いいね。負けた方が金払うって、どうよ」

奴らは勝手に話を盛り上げる。

「……」

俺は相変わらず、何も言えない。

「ほら、あそこの公園行くぞ。よく俺らが遊んでいたところ」

遊んでいた……いや、俺が一方的に殴る蹴るをされていた場所だ。

俺はもう、こころも身体も縮こまっていた。