うわぁ、綺麗……。

私はその3センチ大の円状のかさぶたを、親指と人差し指で弄ぶ。

くにっ、とふたつに折り曲げても、かさぶたって破れないんだ。

まるで、形状記憶ゴムみいたい。

くにっ、くにっ。

柔らかくて、触り心地がいい。

今度は、指で突いてみる。

突くと、今度はまた、別の感触が楽しめる。

ちくちくとした指触り。

うふふ。

私はひとり遊びを楽しんでいた。



気になる。

脚のかさぶたが気になる。

だけど、今は授業中。

トイレでひとり、皮を剥ぐこともできない。

無性に剥ぎたくなることがある。

理科の先生は、つらつらと教科書どおりの説明を続けている。

……かさぶたを、剥ぎたい……。