明るくて美人で人気者。

そんな私の、こんな密かな楽しみを、誰も知らないだろう。

……いや、私が変わり者だという認識はない。

今日、私のかさぶたのように、髪の毛をコレクションしているユウカも同類だ。

同じクラスにさえ、こんなある種の趣向を持った子がいるのだ。

世の中に、身体の一部を収集している人間なんて、ゴマンといるはず。

切った爪を収集してるというひとも、耳にしたことがある。

私は再び、ピルケースのキャップを開ける。

そして、トイレの便座の蓋の上に、そっとそれを乗せた。

さっきから、耳が気になって仕方なかった。

長く伸ばした爪で、カリカリと右耳の後ろの部分を掻く。

あ、いい感じ。

私は皮膚の尖った部分に触ると、びーっとゆっくり皮を剥いでいった。

あ、いい。いい。

剥いた皮を見る。

3センチほどの、紐のようなかさぶたが取れた。

……綺麗……。

しばし、それを見つめると、私はかさぶたをピルケースの中に仕舞った。

そして、今度は左耳をいじりだした。