忘れ物を届けに






(着ぐるみ…?)
そう思ったが、ふわふわした毛並みや動きからして着ぐるみではない。

そんなことを考えていると兎は目の前に寄ってきた。
そして鎖を引っ張る。

「お前、ニンゲンだろ??」

「…」

兎の綺麗な赤い瞳とは裏腹に、"人間"という言葉にトゲを感じた。