忘れ物を届けに






(この馬車を操作している人が前にいるばず…)

「あの…誰かいますか??」
恐る恐る声をかける。
返答はない。
誰もいないと確信したとき、声がした。

「やっと起きたか」
声の主は、前ではなく後ろ。
ビックリして振り向けば、そこには兎がいた。
正確には服を着た大きな兎。