「・・・でね・・・」

「香里、話、聞いてる?」

「聞いてるよ。ケーキの話でしょ」


 帰り道、真子と帰りながら、真子の話を聞きながら、違うことを考えてる。

 クラスにいる、ある男の子。

 大人しくて、メガネかけてて目立たないけど、気になる。




「今度、二人で、セットテラスに行こう。あそこのケーキおいしいんだ」

「うん。行こう」




「香里、さっきから、他のこと考えてるでしょ」

「えっと、、、まぁ、うん」

「素直でよろしい」


 私は、前を歩く真子の後姿を、ずっと見てた。


「でも、まぁ、香里の話は聞かないけど」

「え゛」

「それより、いつ行こう。セットテラス」

「真子・・・・・まぁ、いいけど。いつ、行こうね。今日とかは。私、暇だし」

「香里、あんた、本読むのに忙しそうだし・・・・・」


 いやいやいや〜。

 それ、違うから。一部、本当だけど。


「ねぇ。行こう。ケーキ食べたい気分だし」

「ふーん。じゃ行こうか」


「真子、まだ何か疑ってるな。私のこと」