「香里、何読んでるの?今日は」

「えっと、今日はね、これ」


 私は、友達の真子に、本を見せた。


「へー・・・。香里、こんなの読んでるんだ。珍しいね」


 真子の引きつったというか、苦笑いを浮かべてる。

 それも、そう。

 私が、今読んでるのは表紙が、女の子向けの〈ふぁー〉っていう感じの本だ。

 私が、いつも読むのは、ハードカバーで、表紙が、何の変哲もない飾りっ気がない、本だ。

 
「こういうのも、久しぶりに読んでみようかと。いろんな本読んだほうがいいじゃん」

「なんかそれ、言い訳に聞こえる」

「えー」