水曜日の彼女



病院へ向かう途中、あの公園の前を通る。


フッと自分の視界に入ってくる2人の姿を見て、目を疑った。



「……………亜紀さ…ん。」



母さんに支えられながらベンチに座る女性は、間違いなく亜紀だ。


でも…俺の記憶の中にある美しい亜紀の姿はなく…遠くから見ても、その細さが分かるくらい【病的に】痩せていた。





立ち止まって動かない俺の腕を引っ張り、博斗が公園の中に入って行く。



訳が分からない…。



何で公園に亜紀と母さんが居るんだ。



何で博斗は何も動じていないんだ?



博斗に腕を引っ張られたまま、2人が座るベンチの前まで来た。




「…朝陽……博斗………。」




数年ぶりに聞く亜紀の声は、変わり果ててしまった外見とは違い、相変わらず優しい声だった。





___俺の大好きだった声。