…しかし。

「人間が私たちのためにそんなことをするはずがありません」

「どうせ毒でも入っているんだろう」

「帰ってくれ! もうそっとしておいてくれ!」

妖精たちは、それを受け入れるために必要な純粋さと信頼を、人間に鞭打たれ続けてとうに失っていた。

シルフィはそれでも試食を牢の中に差し入れて、それからきっと睨むように顔を上げた。

「…行くよ、プチ、シャドウ」

『シルフィ、まさか』

「―――――バリバウス校長のところへ」

この現状を、放っておけるシルフィではなかった。