「どうしてだと? 規則に沿わないものは排除する、当たり前だ。
お前は妖精先生妖精先生とうるさいが、妖精先生など、所詮妖精に基礎教養を与え、思想を統制し、能力を振り分け、奴隷にするための職にすぎない。一匹一匹の正確なデータを、未来の雇い主に渡す。それだけだ。ついでに言えば、教師のパートナーシステムだって、万一妖精たちが反乱しても、二人もいればすぐに静められるからだ」

「ファイツはそんなことしない」

「どうして言い切れる。…もっとも、あの落ちこぼれに反乱など起こせるはずもないがな」

「その言い方はないんじゃない? ファイツだって、まだまだ成長するんだから! 反乱ぐらい起こせるよ!」

「……お前はいったいどっちの味方だ」

「どっちとかどうでもいいよ。とにかく! 妖精たちが早く自由になれるようにがんばるんだから、今度は邪魔しないでよね」

ふう、とテフィオが呆れたようにため息をついたのが聞こえた。

「…お前は妖精妖精とそればかりだな。別に。妖精などいつまでも奴隷でいればいいじゃないか、ふん」

「…ええ!? テフィオ先生、それ、本気で言ってるの…?」

テフィオは返事の代わりにもう一度ため息をつき、食事もそこそこに席を立って行ってしまった。