「それ、本当ですね」

「もちろんだとも」

「裏声の女声でやってくださいよ」

「いいともいいとも。ファッハッハッ!」

大笑いしながらバリバウスたちが去っていく。

はなからシルフィが先生になれないと決めてかかったその態度に、プチはおおいに憤慨した。しかしシルフィは笑顔のままだ。

『あいつ~~! 怒らなくていいの? シルフィ』

「う~ん確かになめきってるけど、校長が人形劇って面白そうじゃない?」

『もう、シルフィ! 世界を変えるんでしょ?』

「わかってるよ。世界を変えるには、まずあいつをやめさせなきゃ。あいつが政治を牛耳っているから世界は“こう”なんだもん」

『でも、…後任はどうしようねぇ』

「う~ん、それがどうしてもみつからないんだよね」

シルフィが後任を考えたところでそれが実現するわけではないが、計画は大事なのだ。

シルフィとプチはその場で首を捻りはじめたが、先を行くシャドウが振り返り“早く仕事をしろ”と目で訴えたのを機に、仕方なく持ち場へ急いだ。