「おい! お前たち、聞いたか!? バリバウス校長が辞任されるらしいぜ!?」

駆け寄ってきた教師の一人がそう知らせてきたのは。

「バリバウスが辞任…だと?」

「それ、本当!?」

話を詳しく聞くに、どうやら本当らしい。

三人は喜びに表情を輝かせて互いをみつめあった。

新しい、明るい何かが始まる予感がした。

しかし―。

寮に帰ったファイツのもとに、来客があった。

それは昔、愛玩奴隷として役人に連れ去られたファイツの兄であった。

命からがら逃げだして、ファイツにある情報を伝えに来たのだという。

それは、両親が殺されるきっかけとなった、幼い愛玩奴隷を許した役人たちの上官の名前。

「この国の第二皇子テフィオリウス…!
こいつが父さんと母さんの仇だ。
奴を殺せ、ファイツ」