シルフィが小鳥を抱きしめながらおずおずと顔を上げた時そこにいたのが―

アンティストと、妖精王だったのだ。

神様が現れたと思った。

それくらい二人は圧倒的な存在感を持っていた。

アンティストは金髪の、繊細なガラス細工を彷彿とさせる非常に美しい青年で、妖精王は堂々とした体躯の偉丈夫の姿をしていた。

彼らは言ったのだ。

「どう思う? 妖精王(ファンタジェリスタ)。
この国にはまだこんなにも純粋な絆(プティ)が残っているようだぞ」

「…そうだな、アンティスト。
まずはこの子らを安全なところに。…もう大丈夫だ、怖かったろう」

そうしてシルフィと小鳥は、“迷いの森”へと連れてこられたのだった。