テスト結果は翌日封書でシルフィたちに届けられた。

シルフィは結果を公表する場所を、プティの風の丘にしようと提案し、みんなでそこにやってきた。

テフィオはシルフィの手にある封書をぼんやりとみつめながら、昨夜遅くまで調べていたことに思いを馳せていた。

それは…ラダメシスの秘密について。

今まであさった文献を再度綿密に調べなおしてみたのだ。というのも、これだけの妖精がいるのに、秘密にめざめた妖精が一人もいないことが、気になっていたからだ。

自分の計画は何かが間違っていたのかもしれない。そう思って調べなおしたところ…直接的な進展ではないにしろ、新たな洞察を得ることができた。

“ラダメシスの創り方

それは「知的活動」の中で妖精の中に閃く血の秘密である

だが、覚悟せねばならない

なぜなら秘密に目覚めた妖精を――――”

アンティストが残した手記の一説だ。ここで途切れている。

秘密に目覚めた妖精をどうするというのか、ずっと疑問だったが、もしやとテフィオには思うところがあった。

血の秘密。

覚悟がいること。

つまり…秘密に目覚めた妖精の「血」を流させることで、手に入れられるのかもしれない。

秘密に目覚めた妖精を、殺さなければならないのかもしれないと。

テフィオは今、目の前のファイツのふわふわの背中を見ながら、思う。

殺す…殺せるだろうか、と。