テフィオの目の前で、突如風が爆発した!

爆風は灼熱の炎となって瞬く間に彼の視界を染めていく。まばゆいまでの金色に。

(金色の炎!?)

まともに目を開けていられない。

すさまじい風圧と熱を持つこの炎は、ただの炎ではなかった。金色に輝く炎だった。

テフィオははっと息をのんだ。

伝説の炎とは、この炎のことなのかと。

では、やはり、間に合わないのだろうか。

彼女があれほど願ったのに…。

こらえようもなく、涙が冷たく頬を伝う。

どうして、争わねばならないのか。

人間と妖精の運命が悲しくて、…いや、それだけじゃない。

繰り返し見た夢が今、現実になってしまった。夢の中で繰り返し味わったこの悲しさは、こういうことだったのだ。だからだったのだ。

喪いたくなくて。

守りたくて。

テフィオは吼えた。泣きながら吼えた。

「やめろぉぉぉぉぉ―――――!!」