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「泉くん!今日、一緒に遊ぼうよ」
思い出されたのは小学生の頃の教室。
そんな一際高い声が響いた。
私はその声に反応して、思わず顔を上げる。
「ごめん、俺、大和と約束あるから」
放課後、わいわいとクラスメートが教室を後にする中、
イズミがさらっとその誘いを断った。
「えーッ、いつも泉くん大和ちゃんと遊ぶじゃない!」
「そうだよ!」
不満そうに少し離れた私をにらむ、彼女たち。
私は恐くなって、思わず服の裾を握りしめた。
だけど本当は、イズミが断ってくれたことが嬉しかった。
「ごめんね」
イズミがそう言って笑うと、たちまち誰も何も言えなくなる。
