アップル・マーマレード











雀が電線の上で、
何匹も寄り添って集会を開いている。




まだ人通りも少ない住宅街。



私は毎日、習慣となりつつあるミッションをこなしに来た。



・・・



「お早うございまーす」



私は隣の家の玄関を、そんな挨拶を口にしながら開けた。



鍵は私が来ることを見越して開いている。

・・困ったことだ。




「お早う、大和ちゃん」


「おばさん、お早うございます」



私はリビングから出てきた、「奴」の母親に頭を下げた。



「・・今日もよろしくね、あの子、絶対まだ寝てると思うから」

「はい、任せてください」



私は申し訳なさそうに言う彼女に、そう笑って見せた。