アップル・マーマレード









       ***





それからの午後の授業は、ただ呆然と過ぎていった。



『失恋』。


その言葉はあまり私の中に響いてこなくて、
何だか別世界の事のように感じてしまう。





「___片桐」



「・・え」



突然声を掛けられ、思わず目線が泳ぐ。



「・・何だ、サトウか」


私が小さく息を吐くと、
サトウが苦笑してドアの方を指さした。



「・・ほら、あそこ」



「ん、何?」




私は指さす方向に、視線をめぐらせた。