アップル・マーマレード










「ただいま~」



私もまたパスタを食べ始めると、
サトウがそう言って戻ってきた。




「サトウ、遅かったね」


「おう、何かすげぇ混んでた」



疲れたように笑って、サトウが私の隣に座った。




「はい、片桐」



私はまたパスタに目を戻すと、
目の前にサイダーの缶ジュースが置かれた。


青に白い水玉のデザインで、いかにも爽やかだ。




私は戸惑って、サトウを見た。



「え、私頼んでないけど・・」




「いいよ、俺の奢りで。それでも飲んで元気出せ!」



「佐藤、俺には?」


「ねぇよ、バカ」



普段ならそのやり取りを見ながら、
私は笑って受け取るところだ。



だけど、やっぱりそんな気分にはなれなくて。


私は少し口元に笑みを作った。



「ありがと、サトウ」



粋なマネしやがって。