アップル・マーマレード









「お前さ、さっきから変じゃね?」



ギクリとして、私は肩を上げた。




イズミはこういう所がやけに鋭い。


昔から何かを必死に隠そうとすると、
こんな風に見破られる。




「・・別に?」



「ふーん・・・あのさ」



イズミが話を変えてくれたことに安心しながら、
私は言葉の続きを待った。



「どうしたの?」



イズミは言いにくそうに、私を見た。


心なしか、少し照れているようにも感じる。







「えっと、俺さ、・・好きな子出来たんだわ」



「___は?」




私はその瞬間、頭の中が真っ白になるのを感じた。


ただ見えるのは、
目の前で、右手で恥ずかしそうに頬を覆うイズミ。



それで、何となく事態が呑み込めた気がした。