アップル・マーマレード









       ***






昼休み。


私は不安を抱えたまま、自分のランチをテーブルに置いた。




「片桐、どうした?何か元気無いな」



サトウが弁当を広げながら、心配そうに言う。




こういう気遣いから、
同級生の女子から人気がある事を窺える。




「いや、大丈夫!多分、お腹減ってるだけだから!」



私はそうやって誤魔化して、
無理やりパスタを口に運んだ。




学食のホールは学生でにぎわっている。

所々で、昼食を食べる席を探している生徒も見られた。





「俺飲み物買ってくるけど、お前らもなんかいるか?」



サトウが弁当を開けようとしたところで、
思い出したようにそう言い出した。



私はパスタを頬張っていたため、無言で首を振った。




「俺もいいわ」


「んじゃ、行ってくる」



片手をあげて、サトウは自販機のある方へと小走りに行った。