アップル・マーマレード









「で、何その“アズマ”って?」


「知らないか?“不良のアズマ サイゾウ”」




アズマ サイゾウ?


私は頭の中で、
その名前のようなものを反すうした。



「あぁ・・東の事か、知ってるよ」



頬杖を付いて、イズミは上目づかいに言った。


こんなさり気ない仕草でも、
きっとイズミの事が好きな女子が見れば頬を染める事だろう。



「何だ、知ってんの?」


「あー・・名前と顔だけな」



・・・



話についていけない・・。


何かサトウだけやけに盛り上がっている。


噂話の類には、
そんなに興味を示さない奴だった気がするけど。