アップル・マーマレード










「いやいやいや・・
 美味しいから食べてみなって!」


「・・いや、俺は・・」


「ここまで開けたんだから、責任持ってよね!」



私は困っているイズミの口に、ポテチを寄せ付けた。



「ほれ」


「・・・・、あれ?うまい」



「でしょ?」



得意気に私はイズミを見た。


まったく、
相変わらず食わず嫌いが激しいんだから。




「__相変わらず良い母親やってんな」



頬杖を付いてポテチを口に運ぶイズミを見ていると、そう声を掛けられた。


顔を上げると、
一年の頃からの付き合いの、佐藤 樹 (さとう・いつき)が立っていた。



「お、何か食ってんの?」


長身を屈めて、サトウがポテチをつまみ食いする。


「何これ、うまいじゃん」


「でしょ」


私はそう言って、笑った。