アップル・マーマレード










私は窓際の一番後ろの席で項垂れて、
大きくため息を吐いた。



「あー・・、
 私、今絶対、五月病だわ」


「嘘つけ、お前めっちゃ元気じゃん?」



前の席の座って、雑誌を読んでいるイズミにそう突っ込まれた。



「いや本当に。
 だって物理の授業がつまんないもん」


「んなの皆同じだっつーの」



雑誌に目を落としながら、
イズミはおかしそうに笑った。


私も笑って、隣に掛けたカバンに手を突っ込んだ。



「何してんの」


今度は顔を上げて怪しむように言った。



「ポテチ持って来たこと思い出した!」


「おお、ナイス!」


まだ一限が終わったばかりなのに、
私はスナックの袋を出して、引っ張った。



「何味だよ?」


「ん?チーズ」


「げ、ポテチにチーズ・・?」



気味悪そうに置かれたポテトチップスを眺めるイズミ。