あゆみちゃんの話を右から左へ受け流しながら、あたしは英語のプリントを解いていた。 話にノって行かなくちゃいけないのは分かってたけど、 どうしてもできなくて。 「くるみ?だいじょうぶ?」 あゆみちゃんは、あたしの様子ではなくて、自分の話のつまらなさを心配しながら言った。 もう、分かっていた。 叶いそうもない夢を平気で語れる北川が、あたしのなかで羨ましい存在になっていたこと。 ****