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「ねぇ、くるみ!」


大学の敷地内にはいった瞬間、高校生から仲良しのサクラが真っ赤に目を充血させて駆け寄ってきた。



「ちょ、サクラ、それホラー!
大丈夫?」



泣いていた理由は、もう知っていたけど。



「夏樹が…」


夏樹とサクラは幼なじみだったことに、今更ながら気付く。



「ん、聞いた。亡くなったんだってね」


朝、彼の母親から連絡がきたから。

通夜にきてほしい、
渡したいものがあるから。


その声を思いだし、ため息が出る。

夏樹くんとあたしは、ただの同級生だっただけなのに。