心のなかで突っ込みつつ、自分の番を待つ。高校生最初の日、自己紹介。

ここで間違えたら3年間を棒にふるってことだけは分かってる。

溶け込めないクラスでも、仮面をかぶってうるさい女の子を演じていれば、みんなはあたしをそういうふうに認めてくれた。



「あたしの名前は、高崎くるみです!」


二度と間違わない。


自己紹介を終えて席に戻るった瞬間、あの男の子と目があった。



─────誰だっけ。
─────ミュージシャン。