ハグフレンド




お願いがあるんだけど。




その言葉は聞きあきた。

あたしのこともちょっとくらい聞いてほしかったんだけど。




まっすぐに写真のなかの夏樹くんを見つめると、最初にあった日と同じように目があった。



─────好き。




呟いて初めて、分かり合えた気がした。




あの日々の記憶が、
あたしと夏樹くんの心のどこかで永遠に残ればいいと、本気で思った。






──────────end.