その言葉に、なにも返せなかった。 最初からあたしは、夏樹くんに嘘をついていた。 ハグフレンド。 それ以上の気持ちを、あたしは2年も前からいだいていたのに。 「ばいばい」 短く言って、あたしは夏樹くんの腕を振り払った。 男のひとの腕だった。 泣きたかった。 すごくすごく、泣きたかった。 ****